未経験からデザイナーになって1年。
仕事が終わっても頭の中でデザインのことを考えてしまう。
——そんな“デザイナー脳”と付き合いながら過ごした日々を振り返りました。
焦りや不安もあったけれど、少しずつ「デザインを考えない時間」も大切だと思えるようになった、そんな1年目です。
終わらない、夏休みの最終日
仕事が終わっても、ふと頭の中でFigmaやPhotoshopを開いている。
デザイナーあるある、だと思います。
「そろそろいいアイデア、降ってきてくれないかな」
「あのフィードバック、どう落とし込もう」
気づけば、シャワーを浴びながら構図を考え、歯を磨きながら配色を組んでいる。
休日でもどこかで“仕事の残像”がちらつくんです。
楽しみにしていたアニメを見ていても、心の片隅では
「デザインFIX、明日までだったな」
と気が気ではない。
夜も同じ。
布団に入っても
「本当に寝てもいいのか」
「スキルアップのために1時間だけでも勉強したほうがいいんじゃないか」
「いやいや、明日のためにも早く寝たほうがいいよ」
と、そんな小さな葛藤が、いつも頭の中をめぐっている。
——気づいたら寝てしまっているんですけどね。
でも眠ったと思っても、夢の中でデザインしてるんです。
朝起きて、
「夢でもなんだか焦っていたな」
と思う瞬間、少し懐かしい気持ちになる。
やらなきゃいけないことがあるのに、まだ手をつけていないような罪悪感。
“毎日が、夏休みの宿題が終わっていない8月31日みたいだ。”
どこかで誰かが言っていたのですが、本当にこの表現がしっくりきます。
終わらない、夏休みの最終日。
デザインから離れる時間

それでも、デザイナーとして1年過ごすうちに、少しずつ考え方が変わってきました。
「気分転換はしたほうがいい」
——今ではそう思えるようになりました。
デザインから離れる時間も、良いデザインを生み出すためには必要な時間。
デザインは“余白”や“メリハリ”が大事ってよく言われるけど、
きっと自分の心や生活にも、同じことが言えるんだと思います。
自分の周りには、本当にすごい方々が多いです。
努力していて、自分も早く追いつきたいと思う。
「焦ることもあると思いますが、人と比べるんじゃなくて、入社したときの自分と比べてください」
——入社してちょっと経った頃、人事の方に言われた言葉です。
煮詰まった時、落ち込みそうな時に思い出すようにしています。
初心を忘れないことは大事だとよく言われているので、入社する前の自分のことも思い出してみます。
そうだった。自分は“作ること”が好きだったんだ。
そして、周りを見渡してみる。みんなもきっとそうなんだよな。
その環境の中に入ったからには、自分もちゃんと楽しもう、そう思うようにしています。
案件から離れてみて、自分が「いいな」「素敵だな」と心ときめくものを見て、真似して作ってみたり、ただただ眺めてみたり。
ちょっと気持ちが回復して、でもやっぱり、謎の焦燥感がやってくる、その繰り返しです。
それでも、“休むことも仕事のうち。健康管理は大事”です。
アイデアって、案外休んだあとにふっと降ってくる。
だから今日も、罪悪感をそっとしまって、ちゃんと寝ようと思います。
良いアイデアは、寝てるときに脳が勝手に考えてくれるはずと信じているので。
まとめ

切羽詰まっている時に休むこと、気分転換をすることは、意外と勇気がいると思います。
でもデザイナーとして1年過ごしてみて、
“デザインを考えない時間”も、デザイナーを続けるための時間。そう思えるようになりました。
デザイナー向いていないかも、と思った時期もありましたが、
周りに助けられながら、頭を悩ませつつ、休息を取りつつ、なんとか形にできた時はやっぱり嬉しい。
——なんだかんだで、もっとやってみたいと思っています。
まだまだデザイナーになって1年。2年目も、自分に適度なプレッシャーをかけながらも、焦りすぎず、引き続き頑張っていきたいです。