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ポートフォリオ講座
昨年から職業訓練校の生徒さんに向けにて「ポートフォリオ講座」を実施しています。
本年3月の実施で、ついに計4回の実施を迎えました。
講座の実施にあたって、ポートフォリオを研究・調査し知見も溜まってきたのでこの場をお借りして整理していきたいと思います。
面接官はポートフォリオのどこを見ているか?
ポートフォリオ講座を実施するにあたって、社内で面接官をしているデザイナーとフロントエンドエンジニア数名に「ポートフォリオのどこを見ているのか?」をヒアリングしました。
こだわれる人かどうか
Webデザイナー志望であっても装丁/製本はアピールポイントの1つだと思っています。内容に関わらず、紙の材質・サイズ・製本の仕方・フォントの選び方・細かい部分でもこだわっていると、お!この人はなんか違うぞ?と興味を持ちます。さらに見やすい・使いやすい面でのフォント選びやレイアウトのこだわりがあると、見る人のことを考えて作る人なんだなと分かるのでなお好印象です。
こだわりの製本は、ファイリングやPDFと比較すると明らかに雰囲気が違いますよね。反面、作品の追加や差し替えにコストが発生するので運用には向かないのが特徴です。
製本機や製本テープで簡易製本する手もありますね。
修正にどう対応するか
デザインの修正前後(before → after)デザインを仕事として始めると自分の作品に注文をつけられることが多くなります。その時に人の意見を聞けるのか、作品にうまく反映できる人なのか、割と気にかけています。before → after があればその面で経験があるんだなと安心するし、単純に素直な人だと思えるのでポイントが高いです。
未経験の方ほど、指摘に対して真摯に向き合えるかは大切な要素だと思います。
よくある例を挙げると、修正に対してあまり考えず手を動かしてしまうケース。
結果、OKがもらえず再度の修正指示が来て「指示通りにやったのに・・」となってしまうことがあります。
原因を考えると
・要望に対して「なぜ直した方が良いのか」のヒアリングが足りていない
・「言われたからやった」的な責任を相手に持って欲しいメンタル
の2つが挙げられると思います。
直接制作に関係ないように見えて、コミュニケーションの仕方は意外とクオリティやスピードにも影響を与えます。
詳しい説明文よりも大枠がわかる短文
よく細かい説明文をズラーっと書いてくれる人がいますが、ほとんど文章は読みません。1行で収まる程度の短文で分かりやすい的確な文章が効果的だと思います。
悲しいかな、一度に複数人のポートフォリオを見たりすると、壮大な文章は全部読めなかったりします。
鷹野雅弘さんが資料の文字量に関する記事をnoteに掲載されています。
1文字でも少なく、文字を抜いていく
文字が少ないほど読むスピードは早くなり、見る側は理解するのが楽になります。
自分の作品をプレゼンできるか
制作時間・使用アプリケーション・作品が偏っていないかなどの基本的なところからその人のデザインプロセスも見ています。「カッコイイから作った、可愛いから作った」などではなく、このチラシのデザインはどういう目的で、どういうターゲットに向けた物だから、このデザインに落とし込みました。という一連の流れが説明出来ているかなど。
しっかり伝わるものであれば説明ができなくても見ればわかりますし、あまり説明されすぎても萎えてしまうのですが、言語化できることはアドバンテージになります。色々な表現が使い分けられた方が良いので、言葉にすることができれば意識的にコントロールしやすくなるのと、コミュニケーションにも使えるので人に教えることができます。
技術だけでなくホスピタリティも大切
- ソースコードが見れる状態か(Githubなどで公開している?)
- HTMLの文書構造や設計思想がキレイか。
- プログラムの基礎ができているか
- 命名規則、インデントなど見やすく統一してるか(設計・仕様など。コピペの寄せ集めになってないか)
- ライブラリや計算など、それを使った背景・意図が明確か。
- PDFや画像などファイルが重すぎないか(重すぎるとDLする気にならない。ユーザー目線ができてないと判断)
- Webページとして公開されているか(ドメイン・サーバー・SSLの準備、公開するまでの経験の有無がわかる)
- 全部盛りじゃなくて、項目ごとに整理されてるか(全部は見ない。自信のある制作物を最初に持ってきていると嬉しい。自信のないものは不要)
Webポートフォリオを作る際の注意点ですね。総じて第三者に見られることを意識されているかどうかがポイントになりそうです。
作ることは好きですか?
デザイナーは8時間座りっぱなし・作りっぱなしなので、それに耐えられる人かな?は重視します。作品でもなんとなく分かったりするのですが、作った時の思い出や大変だったことも楽しそうに話してくれると好きが伝わって、ぜひ一緒に働きたい!!と思います!
「好きこそものの上手なれ」と言いますが、まさしくそのとおりです。華やかな印象を持たれがちですが、全然OKが貰えなかったり、良いアイデアが浮かばず何時間も作業が進まなかったり、現実は泥臭く大変なことも多いです。
未経験から目指そうという方こそギャップに挫けてしまうケースがあるので、自分の課題を受け止めて粘り強く苦労ができる人かどうかは慎重に判断します。
「ポ研」のご紹介
職業訓練校に講座を実施するにあたって、ポートフォリオを研究し、講座の内容を検討するプロジェクト、「ポートフォリオ研究会」略称「ポ研」ができあがりました。
メンバーは5名で、僕以外は全員職業訓練校の出身者です。
今回の「面接官が見ているポイント」以外にも、調査・研究を通じて得た知見があるのでまた続編で紹介していきます!
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