お久しぶりです!今回は前回の記事「初めてのGA4:デザイナーがユーザー理解を深めるためのステップ」の続編として、デザイナーが自分のデザイン成果を数値で確認できる方法を紹介します。是非こちらもご覧下さい。
GA4にはさまざまな機能がありますが、今回は特に便利なデータ探索の「自由形式」に絞って解説します。私が一番つまずいた部分なのと、他の機能にも応用が効くので参考にしていただけると嬉しいです。
INDEX
自由形式とは
GA4のデータ探索でよく使う「自由形式」。特徴を整理するとこんな感じです。
特徴
分析の形を自由に作れる。表やグラフ、指標、ディメンションを組み合わせて、見たい結果をカスタマイズ可能。
初心者向けポイント
アクセス数・イベント数・国別ユーザーなどをひとつの画面にまとめられる。期間や条件も柔軟に比較できる。
向いている使い方
例:デバイス別+地域別のユーザー数を同時に見たい・イベント発生回数を日別で並べたい・複数条件を比較したい
自由形式=数値の比較やランキングに強い
なぜ「自由形式」がデザイナーにおすすめなのか?
実際に私が使っていて役立つと感じたポイントはこちらです。
自分が作成したバナーの遷移率が確認できる
・遷移率が高ければデザイン成功、低ければ修正の検討ができる
・そもそもクリックがなければ、配置場所の見直しも可能
作ったデザインでユーザーをうまく誘導できているかがわかる
・ユーザーがどこで迷っているのかを把握できる
・効果的なワードや表現を学び、自分の知識にもつながる
流入経路を確認できる
・流入が多い場所を見つけて強化できる
・逆に少ない場所は改善ポイントになる
デザインの成果を「なんとなく」ではなく、数値で確かめられるのが大きな魅力!
計測用パラメータ
流入元のボタンやバナーが複数ある場合は、どうやって流入元の判別をしているのでしょうか?
conoha.jpでは、流入元を判別するために、URLにbtn_idという名前のパラメータを付与しています。このbtn_idは遷移元・遷移先を特定するためのユニークなキーワードで、個々のボタンやバナーからの遷移数を把握し、効果測定に役立てることができます。
そのパラメーターがどのリンクに相当するかわかりやすいよう一定のルールを設けておくと、後の分析がとても楽になります!
実際の例:※conoha.jpで使用されている一例になります。
今回は、8/30(土)に行われるこのはぴばLPを例に説明できたらなと思います。
では早速、流入元を確認してみましょう。
見慣れない設定が並んでいますが、右側のグラフでURLを確認することができます。
見るべきポイントはbtn_idより後ろのURLです。
上記は仮のURLになりますが、例えばランキングの1番上に上記のURLがあった場合は「ConoHaダッシュボードへのログインページにある、バナーをクリックしてこのはぴばLPに遷移した人が一番多い」という意味になります。
このIDは、conoha.jp独自のものなので、自分のサイトを計測するときはコーディングやマーケティングを担当されている方と相談して設定してみましょう!
自由形式レポートの基本操作(変数)
自由形式の一番左側の変数では、分析に使う「材料」を選びます。
カスタム
計測したい期間の設定ができます。
セグメント
どんな人・または行動などの分析対象を絞り込むフィルターになります。
例:商品を購入したユーザー・東京からのアクセスなど
ディメンション
ディメンションで設定した分析対象を、さらに細かく整理をするフィルターになります。
例:商品を購入したユーザーのデバイスカテゴリは?東京からアクセスした人の性別など
指標
数値で表される結果や量を決めるフィルターになります。
例:ユーザー数・セッション数・コンバージョン数・平均エンゲージメント時間
欲しい項目がなければ、横の「+」ボタンから追加できます。
自由形式レポートの基本操作(設定)
自由形式の真ん中の設定では、変数で選んだフィルターをどう表にするかを決める場所になります。
スクロールすると設定がたくさん出てきますが、主に使用するのは以下の設定です。
・ビジュアリゼーション=表の見た目を設定
・行=縦方向の項目や表示する行数(例:ページパス + クエリ文字列)
・列=横方向の比較軸や表示する列数(例:国、デバイスカテゴリ)
・値=数値(例:アクティブユーザー)
・フィルタ=ディメンションに設定した内容を元にデータをフィルタリングすることが可能。特定の条件での情報を素早く確認できる。
実際の活用方法
前回お伝えした「変数と設定の基本」を使って、今回はこのはぴばLPにどこから流入が多いかをランキング形式で表示する設定をご紹介します。
1.変数の選択
まずは探索手法から「自由形式」を選びます。
2.使用する変数が表示されているか確認
カスタム=期間2025年7月4日〜2025年8月20日
セグメント=今回は選択無し
ディメンション=ページパス+クエリ文字
指標(値)=アクティブユーザー
ドロップか選択で、変数から使用したい項目を設定へ配置できます!
3.設定の選択
ビジュアライゼーション
結果をどう見せるかを選びます。今回は「テーブル(表形式)」を選びます。
行(縦軸の設定)
表の縦軸に表示する項目を決めます。
今回は「ページパス+クエリ文字列」を使います。これはページのURL+?以降のクエリ文字列をまとめたディメンションです。同じページでも、検索条件やキャンペーンパラメータが異なるアクセスを別々に分析できるので便利です。表示する件数は「上位10位」までに設定します。
列(横軸の設定)
今回はランキングのみ見たいので特に設定しません。
ただし、例えば「地域」や「デバイスカテゴリ」を列に設定すれば、さらに細かい分析も可能です。
値(数値の設定)
数値には 「アクティブユーザー」 を設定します。
アクティブユーザーとは、一定期間内にサイトやアプリで何らかのイベントを発生させたユーザー数のことです。
例:サイトやアプリを開いた、画面を見続けたなど
ただ「訪問しただけ」ではなく、実際に動きがあったユーザー数を表します。
4.フィルタ(条件の絞り込み)
最後に、分析対象をこのはぴばLP関連のページに絞り込みます。
ディメンション:ページパス + クエリ文字列
マッチタイプ:「含む」
式:/conohapiba2025/
こう設定すると、URLに /conohapiba2025/ を含むページだけが表示されます。
このはぴばLP自体も一覧に含まれてしまうため、不要な場合は右クリックで 「選択項目を除外」 を選び、表示から外すことができます。
終了!
ご自身のサイトやバナーの流入元を調べるときの参考にしてみて下さい。
まとめ
GA4の「自由形式」を使用することで、数値の検証・流入経路の動きなど、自分の知りたい情報に絞り込みいち早く得られます。また、PDFやCSVデータなど書き出しができるので業務に活かしやすいのもポイントです。
デザインの良し悪しを感覚だけで判断せず、作ったデザインの効果を測定し次の改善につなげるサイクルが作れます。
まだまだデザイナーの役に立つ機能がたくさんあるので、次回も深掘り記事を楽しみにして下さい!