AIに30分問い詰められて気づいた、自分の仕事の「本当の中身」

こんにちは!
インハウスフロントエンドエンジニアのあまんちゅです。

突然ですが、自分の仕事を初対面の人にうまく説明できなかったこと、ありませんか?

私は最近そういう場面が続いたので、AIに「30分、厳しめのインタビュアー」になってもらい、自分の仕事を取材してもらうという実験をしてみました。
やってみたら想像以上に発見が多かったので、今回はその体験談と気づきをシェアしたいと思います!

なお、今回の結果はあくまで私自身の考え方に基づいたもので、一緒に働いているメンバー全員がこの考え方で働いているわけではないと思うので、その前提で読んでもらえると嬉しいです。

きっかけは、2つの「うまく説明できなかった」場面

1つ目は、初対面の人との会話。
「お仕事は何をされてるんですか?」と聞かれて「フロントエンドエンジニアです」と答えたものの、次の「それって、どんなことをするんですか?」で詰まってしまいました。「Webサイトの見える部分を作る人で……」と言いかけて、「いや、それだけじゃないな」と止まってしまった感じです。

2つ目は、エンジニア経験のある人との会話。
「フロントエンドって、それ意味あるの?」と聞かれて、これもうまく答えられませんでした。

普段の業務はこなせているのに、自分の仕事を自分の言葉で説明できない。
これは何かを言語化できていないサインだなと思ったので、AIに手伝ってもらうことにしました。

作業内容は説明できても、「価値」を聞かれると詰まってしまうこと、結構ありそうな気がします・・・!

AIに「厳しめのインタビュアー」をお願いしてみた

普段、ChatGPTやClaudeには「答えを教えてもらう」使い方をすることが多いですが、今回は逆方向。
答えを引き出してもらう使い方を試してみました。

使ったプロンプトはこちらです。

あなたは厳しめのインタビュアーです。
私はインハウス(事業会社の社内)で働くフロントエンドエンジニアです。

これから30分、質問だけで私の仕事を取材してください。

【取材してほしい範囲】
- 技術的な仕事内容だけでなく、社内でのやりとり・調整・立ち回りも含めてください
- 「コードを書く時間」と「コードを書いていない時間」の両方を引き出してください

【ルール】
- 専門用語で逃げたら、素人にもわかる言葉で言い直させてください
- 「なんとなく」「たぶん」と答えたら、必ず深掘りしてください
- フロントエンドの存在意義を疑う質問もどんどんしてください
- 1問ずつ聞いてください

最後に「この人の仕事を、まったく知らない人に1分で説明するなら?」という
まとめを作ってください。

ポイントは「厳しめ」と「存在意義を疑う質問も」の2つ。
優しく聞かれても自己分析にはならないので、容赦なく聞いてもらう設定にしました。

1問目で、すでに想定外の答えが出た

最初の質問はこうでした。

「今日会社で過ごした時間のうち、実際にコードを書いていた時間は何割くらいですか?」

考えてみたら、自分でも意外な答えになりました。

回答した内容:

  • 今はほとんど自分ではコードを書いていない
  • AIにコードを書いてもらって、それを確認している時間が、8時間中4時間くらい
  • 残りの4時間は、要望の意図を確認したり、AIや自動化の使い方を学んだりしている

「フロントエンドエンジニアです」と名乗っているのに、自分で手を動かしてコードを書く時間がほぼゼロだったのは、改めて言葉にしてみて気づいたポイントでした。

数字に置き換えてみると、自分の仕事の実態が客観的に見えてくるのが面白いです!

「依頼者が詰めるべきこと」を、なぜか自分が詰めている

中盤、こんな質問が来ました。

「直近で、依頼者が想定していなかったケースをあなたが指摘して、結果的に仕様が変わった、みたいな具体例はありますか?」

思い当たる例がいくつかありました。
たとえばキャンペーンのような期間限定の内容の依頼が来たとき、依頼者は「期間中の表示」が中心の指示になりがちですが、私から「キャンペーン終了後はどうしますか?」と確認することがありました。フォームの選択肢を選んだあとの挙動や、エラー時のメッセージなど、依頼に書かれていない部分の確認を行うこともあります。

これに対するAIの返しが、けっこう鋭かったです。

「それって本当にフロントエンドエンジニアの仕事ですか?キャンペーン後どうするかを考えるのって、依頼者であるマーケティング側が最初から詰めておくべき話じゃないですか?」

「確かに」と返したら、即座にこう詰められました。

「『確かに』で終わらせないでください。なぜマーケ側は詰めきれずに依頼を投げてくるんだと思いますか?」

ここで、初めて自分の中で言語化できた答えが出てきました。

「見ているものが違うから」です。

マーケ側は「今回のキャンペーン」を見ている。私は「過去に積み重なってきたコード」を毎日触っている。
同じサービスを見ていても、視野の時間軸が違う。だから過去事例からの気づきが私の側に残りやすい、ということだと思います。

これだけが理由ではないですが、普段なんとなくやっていたことにちゃんと理由がある場合、言語化しておくと自分の仕事の説明がしやすくなりそうです!

「最後の砦」というキーワードが出てきた

会話がさらに進んで、こう聞かれました。

「あなたが今やっている『抜け漏れの指摘』、これはフロントエンドエンジニアの仕事だと思いますか?」

考えながら答えたのが、こんな内容です。

「世に出る前に気づくべき仕事です。フロントエンドエンジニアが必ずしもやらなければならないとは思いませんが、私たちが本番環境へアップすると世に出るので、最後の砦だと思っています」

入力してから「あ、これか」となりました。
コードを書くこと自体じゃなくて、世に出るまでの「最後の一歩」を担っている部分が、自分の仕事の中にあるな、と整理できた瞬間でした。

ちなみにAIはここでも追撃してきました。

「『最後の砦』ということは、その前にいくつも砦があるはずですよね。なぜ最後のあなたのところまで漏れが残るんですか?」

容赦がなさすぎて、途中で「これ何問目まであるの?」と素で聞いてしまったくらいです。

人間が相手だと、ここまでストレートには聞かれないので、新鮮でした・・・!

「社内にいる意味」を具体例で答えさせられた

こんな質問も来ました。

「『社内にいるから成立した』と思った場面、直近で一つ挙げてください」

最初、「依頼者と同じ目線で売上に貢献できる」みたいな抽象的な答えを返したら、一発で見抜かれました。

「ストップ。今、質問に答えていません。能力の話ではなく、実際に起きた場面を、シーンで切り取って教えてください」

仕方なく、前日にあった出来事を具体的に話しました。

サービスのTOPページのMV(メインビジュアル)を変更するという話が出たとき、「以前の状態に戻すだけならコーディングだけで済むか、それともデザインも入る必要があるか」を確認されました。
過去の経緯を辿って、「デザインも入る必要がある」と15分以内で判断できたのですが、これに対してAIが『外注ならどれくらい時間がかかるか』の目安を出してきました。

「外注エンジニアの場合、依頼を受けて社内に問い合わせて、回答を待って資料を読み込んで……合計で1〜3営業日は見ておくのが現実的です」

つまりこの「15分」の価値は、作業が速いことではなく、判断に必要な情報がすでに頭の中にあること。
インハウスの強みを抽象論ではなく、具体的なシーンで説明できる例が一つ手に入った感じでした。

「抽象的な答えは即ツッコまれる」のが、このプロンプトの良いところでした!

30分話して、一番意外だった気づき

最後にAIから聞かれた質問はこれでした。

「今日30分話して、自分の仕事を改めて言葉にしてみて、一番意外だった気づきは何でしたか?」

答えはすぐ出ました。

「半分の時間しかコードを触ってないこと」

フロントエンドエンジニアを名乗っているのに、コードと向き合っている時間は1日の半分。残りは要望の意図を確認したり、漏れを指摘したり、AIや自動化の使い方を学んだりしている時間でした。

これは肩書きと実態がズレているわけではなく、肩書きが指している範囲が、自分が思っていたより広かった、という話だなと思いました。

AIがまとめてくれた「1分の自己紹介」

30分の取材の最後に、AIに「この人の仕事を、まったく知らない人に1分で説明するなら?」とまとめてもらいました。

この人は、会社の中にいるフロントエンドエンジニアです。「ホームページの見える部分を作る人」と言えば近いですが、自分の手でコードを書く時間はほぼゼロ。1日8時間のうち4時間は、AIにコードを書かせて、その内容をレビューし、表示も含めて確認したりしています。

残りの4時間は、マーケティング部署からの「ここをこう変えたい」という要望を受けて意図を確認したり、抜けている部分を指摘したり、最近ではAIや自動化の使い方を学んだりしています。

たとえばキャンペーンの依頼が来たとき、「キャンペーンが終わった後はどう表示するんですか?」と先回りして聞くのもこの人の仕事です。依頼者は今回のことだけを見ていますが、この人は過去にそのサイトで何があったかをコードと記憶で知っているので、「最後の砦」として漏れを拾います。

社内にいるからこそ、依頼者と同じ目線で売上や利益を考えられ、過去の経緯を15分で判断できる。外注なら数日かかる判断です。

自分の中で散らばっていた要素が、ひとつの流れに整理されている感じがあって、これは一人ではなかなかたどり着けない形でした。

「数字 → 具体例 → 役割」の順で並んでいて、説明の構造としても参考になります!

やってみて分かったこと

説明できなかったのは、「作業」しか見ていなかったから

「Webサイトの見える部分を作る」というのは作業の説明であって、価値の説明ではありませんでした。
誰のためにやるか、なぜそれが必要か、を一緒に説明できるようになると、初対面の相手にも伝わりやすくなりそうです。

「意味あるの?」への答えは、深掘りされる過程で見つかった

「コードを書くだけならノーコードでもAIでもできるけれど、過去の経緯を踏まえて世に出る前に漏れを拾う役割は、誰かが座っていないと成立しない。今はその席に自分が座っている」
というのが、今回見つかった自分なりの答えでした。

自分で考えていても出てこなかったものが、深掘り質問のおかげで形になった、というのが今回の実験で一番手応えがあった部分です。

AIには「引き出してもらう」使い方もアリだった

普段は「これを教えて」「これを書いて」と答えを出してもらう使い方が中心ですが、今回みたいに「質問してもらう」使い方も面白いなと思いました。

特に「容赦なく深掘りしてください」「存在意義を疑う質問もしてください」と指示しておくと、人間に頼むと遠慮されがちな質問もどんどん飛んでくるので、自己分析のように頭の中を整理したいときに向いていると言われていることにも納得がいきました。

「教えてもらう」「書いてもらう」以外の使い方も、もっと試していきたいです!

まとめ

今回の実験で得たものをまとめると、こんな感じです。

AIに自分を取材してもらってみて:

  • 自分の仕事を「作業」ではなく「価値」で説明する材料が手に入る
  • 言葉になっていなかった部分が、深掘り質問で形になる
  • AIに「引き出してもらう」使い方は、自己分析やキャリアの棚卸しにも応用できそう

「自分の仕事を一言で説明するのが難しい」と感じている方は、30分だけAIに厳しめのインタビュアー役をお願いしてみるのも一つの手かもしれません!

AIの使い方は本当に色々あるので、皆さんもぜひ「自分なりの活用法」を見つけてみてくださいね💡

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この記事を書いた人

あまんちゅ

あまんちゅ

2023年夏入社です。 海の上の橋を渡るのが好きです。

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