ウェブサイトを運営していると、「特定のページにアクセス制限をかけたい」「URLをリダイレクトしたい」といったニーズが出てくることがあります。
そんなときに便利なのが「.htaccess」ファイルです。
「.htaccessって何？」と疑問に思う方も多いでしょう。
今回は、初心者の方でもわかりやすく、.htaccessの基本的な使い方や設定例を紹介していきます！
.htaccessとは
「.htaccess」（ドットエイチティアクセス）は、特定のディレクトリの設定を制御するための設定ファイルです。
.htaccessを利用すれば、特定のウェブページに対してリダイレクトやアクセス制限、カスタム404ページを表示するように指示を出すことが可能です。
詳しく説明していきます。
リダイレクト設定
リダイレクトは、あるURLにアクセスした際に自動的に別のURLに転送する設定です。
例えば、サイトの構成を変更してURLが変わった場合に、古いURLにアクセスしてきたユーザーを新しいURLに案内することができます。
これにより、SEO効果を維持しつつ、サイトの移行をスムーズに行うことができます。
404エラーページ
存在しないページにアクセスした場合に表示されるエラーページです。
デフォルトの404エラーページはシンプルなエラーメッセージが表示されるだけですが、.htaccessを使って独自の404ページを設定することで、ユーザーに対してより親切なメッセージやナビゲーションを提供することができます。
また、ユーザーがサイト内で迷子になるのを防ぎ、他のコンテンツに誘導することができます。
BASIC認証
BASIC認証は、特定のページやディレクトリにアクセスする際にユーザー名とパスワードの入力を要求する認証方式です。
これを使うことで、限られたユーザーだけにコンテンツを提供することができます。
IP制限
IPアドレスによるアクセス制限を行うことで、特定のIPアドレスからのアクセスを拒否したり、逆に特定のIPアドレスのみアクセスを許可したりすることができます。
これを使うことで、不正アクセスや攻撃からサイトを守ることができます。
また、特定の地域からのアクセスを制限したい場合にも役立ちます。
有効範囲と設置場所
「.htaccess」の有効範囲は、そのファイルが置かれているディレクトリおよびその配下の階層です。
例えば、サイトのルートディレクトリに配置された .htaccess ファイルの設定は、サイト全体に適用されます。
しかし、特定のサブディレクトリに異なる設定を適用したい場合は、そのサブディレクトリに.htaccessを配置することで設定を上書きすることが可能です。
ファイルの記述ルール
ファイルを正しく記述するためには、いくつかのルールに従う必要があります。以下の点に注意して、ファイルを記述しましょう。
・ファイル名は「.htaccess」にする
.htaccessというファイル名は、サーバーが特別な設定ファイルとして認識するための名称です。
・文字コードはUTF-8、改行コードはLF
ファイルの文字コードはUTF-8、改行コードはLFで保存することが推奨されます。
これにより、多言語対応が可能であり、互換性も保たれます。
・最後に必ず改行を入れる
ファイルの終わりを明確にすることで、予期しないエラーを防ぐことができます。
・コメントアウトするときは「＃」を先頭におく必要がある
コメントを記述する際には、行の先頭に「#」を付けてコメントアウトします。
これにより、サーバーはその行を無視し、設定内容を説明するメモとして使用できます。
上記の注意点を厳守しているかチェックし、正確な設定を行いましょう。
書き方について
リダイレクト
リダイレクトを設定する際には、
RewriteEngineでRewriteEngineを有効化し、
RewriteCondで条件を指定し、
RewriteRuleでリダイレクト先を指定します。
RewriteEngine On
RewriteBase /coding/
RewriteCond %{REQUEST_URI} ^/coding/(.*)$
RewriteRule ^(.*)$ /category/coding/$1 [R=301,L]
・RewriteEngine On : リライトエンジンを有効にします。
・RewriteBase : リダイレクトのベースディレクトリを設定します。
・RewriteCond : /coding/で始まるリクエストURIに対してリダイレクトを適用する条件を指定しています。
・RewriteRule : リダイレクト先のURLを /category/coding/ に設定し、元のリクエストのパス（$1）も保持するようにしています。
404エラーページ
404エラーページを設定するには、以下のようにErrorDocumentディレクティブを使います。
ErrorDocument 404 /404.htmlこの設定により、404エラーが発生した際に、ユーザーは/404.htmlにリダイレクトされます。
BASIC認証
BASIC認証を設定するためには、認証情報を記録する.htpasswdファイルと、以下の設定を.htaccessファイルに記述します。
AuthType Basic
AuthName "Restricted Area"
AuthUserfile /coding/.htpasswd
Require valid-user
・AuthType : 認証の種類を指定。この場合はBASIC認証
・AuthName : 認証の際に表示される領域名
・AuthUserFile : 認証情報（ユーザー名とパスワード）が保存されているファイルのパス
・Require valid-user : 認証に成功したユーザーのみがアクセスを許可
IP制限
IP制限は、特定のIPアドレスからのアクセスを許可または拒否する設定です。
特定のIPを拒否する例：
order allow,deny
allow from all
deny from (特定のIPアドレス)
・order allow,deny : 特定のIPのみアクセスを拒否すると宣言
・allow from all : すべてのIPからのアクセスを許可
・deny from (特定のIPアドレス) : 特定のIPアドレスからのアクセスを拒否
特定のIPを許可する例：
order deny,allow
deny from all
allow from (特定のIPアドレス)
・order deny,allow : 特定のIPのみアクセスを許可すると宣言
・deny from all : すべてのアクセスを拒否
・allow from (特定のIPアドレス) : 特定のIPアドレスからのアクセスを許可
まとめ
今回は、.htaccessの概要から設置方法、使い方について解説しました。
.htaccessはウェブサイトの設定を簡単に管理できる便利なツールであり、リダイレクトや認証、IP制限など、さまざまな機能を提供してくれます。
ただし、.htaccessファイルを設置した場所によって適用される範囲が変わるため、設置場所には十分注意が必要です。
また、設定ミスがサイト全体に影響を及ぼす可能性もあるため、慎重に活用してください。
今回の記事が、.htaccessの有効な活用方法についての理解を深めるきっかけとなれば幸いです。
