みなさまこんにちは、おいもです。最近は暑くなってきて、梅干しやレモンなどのさっぱりしたものがないと生きていけなくなっています🥵
今回は WEB デザイナーの「センス」について、私が思ったことを書いていこうと思います。
センスについて考えるようになったきっかけ
「センス」という言葉を聞くと、なんだか生まれ持った才能や特別な感覚のように感じることはありませんか?でも、私はある出来事をきっかけに、「センスは知識や経験の積み重ねであり、磨くことができる力なんじゃないか」と考えるようになりました。
これは、私がまだデザイナーを目指して奮闘していた頃のお話です。当時、セールイベント情報サイトを運営する会社で、サイトに掲載する画像のオペレーション業務に携わっていました。主な仕事はクライアント様が選んだテンプレートに合わせて画像を当てはめるという、1 から制作するというよりかは、決められた枠の中で行う作業でした。
そんな中で、季節限定のテンプレートをデザインする機会がありました。今までのクライアント様の傾向を分析し、今風のおしゃれさよりも、ポップで原色に近い色合いで訴求力が強めなデザインが好まれる傾向があったため、元々のセールイベントのサイト全体の雰囲気にも合うように、それらを踏まえて季節のデザインをしました。
ある日の会社の別部署の方から「本当にセンスないよね」と言われました。当時、デザイナーを目指していた私にとっては本当にショックだったし、どの部分がセンスが無かったのかを聞くことも、色々考えて作った自分の意図を話すこともできず、何よりテンプレートを使用してもらえないかもと不安で頭がいっぱいでした。
しかし、期間限定テンプレートの配布が始まると、私が作ったテンプレートは無事にクライアント様に選んでいただけました。その時、センスがないって言われたのに、何で選んでもらえたんだろう?と思うと同時に改めて「センスって何なんだろう?」と考えるようになりました。
センスって?
デザイナーのセンスは生まれ持ったものではない
少し前置きが長くなってしまいましたが、この経験を経て、日々の学びを通して、私の「センス」に対する考え方が変わりました。誰かの主観や好みによって変わるものもあるかもしれませんが、私が今思う「センス」とは、決して生まれ持った特別な才能ではなく、良いものにたくさん触れることで培われる「知識の積み重ね」と、その豊富な知識の中から状況に合わせて「最適なものを選ぶ力」の組み合わせのことだと考えています。
「良いものって何だろう?」と疑問に思うかもしれませんが、ここでは私が日々作成する機会が多いバナーや WEB サイトを例に具体的に説明します。
バナー
– 情報にメリハリがあり、伝えたいことが明確であるか
– 配色がまとまっているか
– 目的に合った画像の選定がされているか
– フォント選定やカーニングといった細部まで配慮されているか等
WEBサイト
– 配色や文字サイズ
– 余白のバランスが良く、読みやすいか
– ユーザーが迷わずに欲しい情報にたどり着ける、分かりやすいナビゲーションになっているか等
状況に合わせて「最適なものを選ぶ力」としては
季節限定(例:春の場合)
– 桜/菜の花/チューリップ/蝶
– 淡いパステルカラー
– 花びらが舞っている、青空が広がっているなど、開放感ある構図等
高級な雰囲気
– ブラック・ネイビー・ボルドー・ダークグリーンなどの落ち着いた色
– セリフ体や細めの明朝体
– 装飾やあしらいの線は細め、背景素材は布地、金属、革、大理石、シルク等
こちらは一例を具体的に説明したものですが、他にも使いやすさや機能性に根差した基準や表現方法が色々あると思います。表現方法でいうと個人的には、「夏っぽい」や「手書きっぽい」などの「〜っぽい」という括りでたくさんの表現のバリエーションを考えると覚えやすくアイデアが引き出しやすいです。
これらの要素は、単に感覚だけでなく、デザインの基礎知識や、多くの事例に触れる経験から学べることばかりです。日々、様々なデザイナーさんの記事を読んだり、ギャラリーサイトで優れたデザインに触れたりしているのは、まさにこの「知識の積み重ね」と「最適なものを選ぶ力」を磨くためだと思いました。
普通を知る
「センスの良さ」とは、数値化できない事象の良し悪しを判断し、最適化する能力である
普通とは、いいものがわかること。
普通とは、悪いものがわかること。
その両方を知った上で、一番真ん中がわかるということが大切。
センスを磨きたいのなら、まずは普通を知ること
−「センスは知識から始まる」 クリエイティブディレクターの水野 学さんの著作より引用
この言葉はとても勉強になりましたし、センスへの考え方に悩んでいた時に出会ってすんと心に刺さりました。自分が認識する普通と、いろんな人が思う普通を近づけられるようになればなるほど物事の最適化が測れるような気がします。
最新のトレンドや個性的な表現もインプットしつつ、「いいもの」「悪いもの」の両方が分かって「真ん中=基準点」を持てるようになると、「意図的にズラす」「あえて崩す」「引き算をする」といったことができるようになるんだと感じました。普通を追求することも大事ですね…。
この本はとても勉強になるので、センスについて悩んでいる方はぜひ読んでみてほしいです。
終わりに
私はデザイナーのセンスは磨いていけるものだと思っています。今後、いろいろな経験をするたびに、センスについての考え方は更新されていくのかなとも感じています。これからも、様々な分野について知識を増やしながら、良いものにたくさん触れて審美眼を磨いていきたいです。
この記事がデザイナーを目指している方の勇気になれば嬉しいです。それではまた、次の記事でお会いしましょう〜!