こんにちは、デザイナーのモリンガです。今回は少し初心に返って、デザインの基礎中の基礎、「文字詰め」についてのお話をしようと思います!
実は私、デザイナー歴5年目にして「文字詰め沼」に見事にハマっておりました…。
そこからどうやって抜け出したのか、自分なりに学び直したプロセスをまとめてみます。「なんとなく感覚で文字を詰めているけれど、正解がわからない」という方のヒントになれば嬉しいです!
突然増え始めた「文字」への指摘
クリエイティブチームには、制作物のクオリティを担保するための承認フローがあります。これはチームの仲間や先輩が、デザインのレギュレーションやクオリティをしっかりとチェックしてくれる仕組みです。
そしてその承認フローで、ある時期から私の制作物に対してだんだん文字周りの指摘が増えてきました。
あれ?今まで通りやっているはずなのに…
特に多かったのが「文字詰め」への指摘です。
もちろん、すぐさま指摘された箇所を調整してみます。でも、直しても再調整、また再調整…。やればやるほど悪循環に陥る感覚がありました。
感覚だけの限界
これまで私は、文字詰めを以下のような感覚で行っていました。
文字と文字の間に水を注いだ時、その「水の量」がすべての文字間で等しくなるように調整する
これは文字の形が生む余白を均等にするという考え方で、駆け出しデザイナーの頃からお世話になってきました。
ただ、これだけを頼りにしていると、懐が深い文字や画数の少ない文字が並んだ時に、「詰めすぎ」や「極端なバラつき」が起きやすくなっていました。
また、先輩から「なぜこの詰め方にしたの?」と聞かれても、感覚に頼っているため明確な言語化ができないことも問題だなと感じました。
5年目の学び直し
「このままではいけない!」と思い、改めて文字組みの本を読んでみることにしました。今回参考にしたのはこちらです。
この本を読んで特に勉強になったのが、文字詰めには大きく分けて2つの考え方があるという点でした。
文字詰めの考え方
ベタ組:文字が入る四角い箱(仮想ボディ)ごと、等間隔に並べること。
ツメ組:文字を箱ではなく、実際のインクが乗る部分(シルエット)で捉えて余白を整えること。
ここまで読んでみて、自分の失敗の原因がわかりました。
私は「ベタ組」という基準を飛ばして、いきなり「ツメ組」を行っていたわけです。最初はそれで良かったのだと思いますが、ずっと続けるうちにそれがだんだんと極端なバランスになり、全体を見た時にガタつきが出てしまっていたのかもしれません。
また、基準となる文字間の余白を決めてからツメ組を行うことも大事だなと学びました。
ちなみに、この辺りの言葉も正しく理解せずに機能を使っていました…(お恥ずかしい限り)
- トラッキング:
全体的な文章や段落の文字間隔を調整すること。「トラッキング0」の状態が「ベタ組」の状態に該当します。 - カーニング(ツメ組に該当):
文字を箱ではなく実際のシルエットで捉え、「A」と「V」のように特定の文字ペア間の余白を個別に調整すること。
また、WebデザインのCSSなどで指定する「レタースペーシング(letter-spacing)」は、これらを総称した字間調整の一般用語として使われています。
やり方を変えてみた結果
原因がわかったところで、早速実際の業務でやり方を変えてみました。
まずは一度完全に「ベタ組」の状態にします。
そこからはツメ組の出番です。余白が明らかに広すぎる文字の左右だけを、少しずつ調整していく…という手順に変更しました。
するとどうでしょう。
あんなに何度も戻ってきていた文字周りのチェックが、まさかの一発OKとなりました…!
最初にベタ組を経ているため、詰めすぎ・開きすぎをうまく予防できたようです。良かった!
学びとこれから
今回の出来事で、デザイナーとしての「学び方」について改めて考えさせられました。
フェーズによる学びの変化
入社してからの数年は、とにかく手を動かして量をこなすことが正義でした。わからないことがあれば、実践の中で学んでいくスタイルです。
ですが、入社から4〜5年経って仕事の全体像が見えてきた今こそ、「学び直し」が必要な時期なのかなと思いました。
今まで「常識」や「基本」だと思っていたことを、最新の知識やロジックでアップデートしていく習慣をつけておかないと、だんだん周りのデザイナーとの乖離が進んでしまう気がします。
元々私は座学よりも手を動かす方が好きなタイプなのですが、これからは「実践」と「理論のアップデート」をバランスよく繰り返していくのが、長くクリエイターを続けていくコツなのかもしれません。
周りからのフィードバックがあったおかげで、自分の癖に気づくことができました。慣れた時こそ、基礎の本を開くのは大事ですね💪
これからも、良いデザインを届けられるように精進していきます。それではまた、次の記事でお会いしましょう!


