2023.10.06

AI

デザイン

ほんとにすごい?Adobe Fireflyの新旧機能を比較してみた

みなさまお久しぶりです、ひよこベアです。
長い長い夏がようやく終わって一安心な人も多いのではないでしょうか。

そんな中、デザイナーにとって待ちに待ったニュースがやってきました!

Adobe Firefly、商用利用できるようになる。

やったね!ということで実際に使ってみたいのですが、そういや似たような機能って元々ついてるものもあるよな…?と思ったので、新旧機能を比較してみることにしました!

今回はAdobe Photoshopに実装された機能を使用しています。ブラウザ上にも同じ機能がありますが、書き出した画像がPNGになるためご注意ください。

空を置き換え と 生成塗りつぶし

まずは「空を置き換え」と「生成塗りつぶし」です。
空を置き換えできる、という機能がついた時点で結構すごいと思っていましたが、AIの進歩は凄まじいですね。
生成塗りつぶしではどんなものでも変更できますが、旧式に合わせて空を置き換えることで性能を比較したいと思います。
比較は以下の流れで行いました。

  • どちらも機能以外の加工はしない
  • 先に旧式の機能で画像を加工する。機能に付随する調整は可とする。
  • 生成機能については、コンテンツを保持などの設定は変更せず、入力したテキストのみで生成し旧式に近いイメージが出るまで繰り返し生成

使う画像はAdobe stockからお借りしたこちら。

曇り空の写真なので、海の色も同じになってしまっています。この部分を晴れた日の空に変更してみました。

結果

左が「空を置き換え」で、右が「生成塗りつぶし」です。
スライドをずらして比較してみてください。

空を置き換え生成塗りつぶし

「空を置き換え」にデフォルトで入っている空を「生成塗りつぶし」で再現するために、プロンプトを『晴れた日の空、大小3つの雲』と入力し生成しています。
どちらも空は綺麗に置き換わっていますし、砂浜も陽射しに照らされているような印象になっています。ですが、海の色で大きな差が出ました。

「空を置き換え」では明度とカラー調整でしか色合いを変えられないため、何となくでしか海の色を変更することはできませんでしたが、「生成塗りつぶし」では自動的に画像を補完しているため、海の続きを補って自然な色味になるように調整されています。そのため海面が元の画像より少し上がっていますが、あまり大きな差ではないように思います。

今回は「空を置き換え」と比較するために選択範囲を空だけに絞りましたが、海を含めて「生成ぬりつぶし」をすることで、より自然な画像に近づけることができます。
以下の画像はプロンプトに『晴れた日の空、大小3つの雲、海、陸なし』と入力して生成しましたが、結構イメージ違いの画像も生成されたので、より具体的なイメージをプロンプトに入力した方がよさそうです。

コンテンツに応じて塗りつぶし と 生成塗りつぶし

次は「コンテンツに応じて塗りつぶし」と「生成塗りつぶし」で比較してみます。こちらは元になる画像もAdobe Fireflyを使用してみました。
https://firefly.adobe.com/ 内の「テキストから画像生成」機能を使用し、プロンプトに『何も入っていない額縁、縦長、正面、周りにJapanese mapleの葉』と入力して生成しています。

余談ですが、Japanese maple としているのは、紅葉やモミジと入力した時に思い通りの画像にならず、落ち葉や西洋のカエデになってしまったからです。言語は対応していますが、日本語と英語で同じ単語になるものに関しては表記を英語にしてしまった方が正しい結果で生成してくれます。
また、今回は葉を生成しましたが、花の生成は少し苦手なようで、種類によっては微妙な結果になることも…これからも色々と試してみることにします。

さて、上記の画像を横長にするため広げたカンバス部分にそれぞれの機能を使いました。

結果

左が「コンテンツに応じた塗りつぶし」で、右が「生成塗りつぶし」です。

コンテンツに応じた塗りつぶし生成塗りつぶし

結果としては「どちらも微妙」という形になりました。「コンテンツに応じた塗りつぶし」では似たような形の葉が繰り返し表示されていたり、そもそも形をなしていなかったりしています。対して「生成塗りつぶし」は、ぱっと見だといい感じに見えるのですが、よくみてみると細かい描写がなくイラストのようになっています。

もしかしたら今回モミジを使った画像をベースにしたので、先ほどの「テキストから画像生成」のように、あまり十分なデータがなかったのかもしれないと考えました。そこで、モミジより一般的な葉があしらわれているこちらの画像で同じように試してみました。

二回戦

先ほどと同じく左が「コンテンツに応じた塗りつぶし」で、右が「生成塗りつぶし」です。

コンテンツに応じた塗りつぶし生成塗りつぶし

今度は少し差が出てきました。「生成塗りつぶし」の方は相変わらず境界線や詳細な部分が曖昧でイラストのようですが、「コンテンツに応じた塗りつぶし」の方では壁面の模様含め元の写真に近い形で補完されました。ただやはり完全ではなく左の方では葉の形が崩れてしまっています。足して二で割ったらちょうど良さそうですね。

感想とこれからへの期待

今回は、新機能の「生成塗りつぶし」を旧機能と比較してみました。「空を置き換え」よりは優れており、「コンテンツに応じた塗りつぶし」とは足りない部分がお互いにある、という結果になりましたが、まだまだ進化の途中だと考えています。
というのも、2023年10月3日現在、ブラウザでのAdobe Fireflyでは「画像を拡張」という機能が表示されているものの使えない状態になっています。画像にはIn explorationとあり、直訳で探検中・探索中という意味なので、もっとクオリティを上げるべく研究しているということではないでしょうか。

「テキストから生成」・テキストを使っての「生成塗りつぶし」は共に0から1を産むような作業であり自由度が高くAIの学習元も豊富にありますが、「画像を拡張」・テキストを入れずに行う「生成塗りつぶし」は今あるデータから多くの情報を読み取って再現する作業になるので、もう少し時間がかかるのかもしれません…是非とも実務で使えるくらいに進化して欲しいです。

それでは、ひよこベアでした。

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ひよこベア

ひよこベア

かわよいものを愛でるアラサーデザイナー なるようになる をモットーに日々息しております

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