お久しぶりです、ひよこベアです。みなさまお元気でしたでしょうか。今年のゴールデンウィークは雨が多かったですね。私はおうちでひたすらスマホと向き合っていたので全く問題ありませんでしたが!笑
余談はさておき、最近の業務でグラフィック案件をたくさん担当しました。俗にいう印刷物の制作になります。色々と作成する中で気になって調べて「初めて知った!」なことがたくさんあったので、自分の復習もこめて皆さんに共有できればと思います。そのくらい知ってるよ!なこともあるかもしれませんが、お手柔らかにお願いします。
印刷の色問題
薄い色の濃さについて
例えば、表を作ったり注釈だったり、薄い色の線や文字を使いたい時ってありますよね。しかし、あまりにも薄い色を使ってしまうと印刷では表現できなくなってしまいます。
印刷がCMYKカラーで印刷されるのは皆さんご存じかと思いますが、印刷の仕組みについて知ると、その理由が分かります。パソコンの画面上ではピクセルで塗りつぶされているので濃度が薄くても色が見えますが、上記の図で表現したように、印刷はべた塗ではなく細かい点が集まって出来ているため、印刷範囲が狭ければ狭いほどすき間が目立つようになってしまうからです。
ではどのくらいの濃度がよいのか、色んな印刷会社さんのコラムやガイドを見てみたのですが
- 10%~15%あると確実
- 印刷会社によっては5%でも印刷は可能だが、細い文字や小さいオブジェクトでは、かすれたり薄すぎることがあるので注意が必要
という情報が多かったです。確認としてインクジェットプリンターで印刷することもあると思うのですが、実際の数値より濃く印刷されるように設定されていることもあるそうで、確認したからと言って安心できないということが分かりました。(参考)
印刷会社によって10%より下の数値がokかどうかは別れるので、実際に印刷をお願いする会社の記載を確認することが大事ですね。
こちらの情報を調べていた時に知ったのが「色が転ぶ」という現象です。
色が転ぶパターンとその対処
「色が転ぶ」というのは
「色が転ぶ」とは、オフセット印刷で仕上がった印刷物の色が変化してしまうという意味です。
プロセスカラー印刷(CMYKの4色印刷)の特性上、表現が不得意な色が存在します。
印刷データと印刷物の色味が変わってしまう現象のことを言います。せっかくこだわっても印刷で変わってしまったら悲しすぎますね。印刷機のコンディション、用紙、温度や湿度など様々な原因があるようです。
この「色が転ぶ」ことに気を付けないといけない色が『CMYを同じくらい入れている茶色・ベージュ・グレー・黒』ですが、色を合わせて作る以上どうしても発生する可能性があるので、対策もあります。
- Kを入れることで色のブレを少なくする・目立たなくさせる
- グレーに関してはK一色のみで表現する
Kを入れるという方法に関しては、インキ量を300%以下にするため調整する時にもやる時がありますが、むしろ色を安定させるために積極的にやるべきということが分かりました。また、CとYだけ、MとYだけなど掛け合わせる色を減らすのも効果があるそうです。ロゴなど、特に色が重要なものは、作成する段階で転びにくい色を選ぶ方が安心ですね。
グレーをK一色で表現するというのはよくやっていたので、ここに関してはなるほどなとなりました。また、K50%をCMYKで表現しようとすると全色50%にしても異なる色になってしまったり(ニュートラルグレーという色で調整するそうです)、グレーはK一色で表現するのが間違いなさそうと感じたのですが、逆にCMYKを混ぜて作る時のメリットも調べてみました。
- K一色だけでは出せない深みのあるグレーを作れる
- 細い線がガタガタになりにくい(かも)
Webで背景にグレーを敷くデザインをするときに、なんか冷たいよなぁと思っていたのですが、思わぬ方向から解決策が降ってきました。深みのあるグレー、いいですね。会社のプリンターで試してみましたが、確かに雰囲気が変わります。また、版をたくさん使うことにより、一色刷りだとガタガタになってしまうところを埋めるという考え方もあるようです。
そんなわけでCMYKのグレーにもいいところはあったわけですが、基本はK一色で表現するを守れば大丈夫かなと思いました。最終手段は特色グレーみたいです(笑)
アウトライン化されない罠
最後に、今回私も引っ掛かりかけた現象を紹介します。入稿データを作るため、文字とパスをアウトライン化して、アピアランスを分割してもフォントのまま残っているものがありました。
文字のアウトラインが効かない「エンベロープ」
エンベロープは、テキストを自由な形に変形できる機能です。先日初めてグラフィックデザインで使ったのですが、入稿データ作成の際にアウトライン化したつもりになっていて危うく失敗してしまうところでした。ちなみに、エンベロープの他に、「パターンの中で使ったフォント」も段階を踏まないとアウトライン化されないので注意が必要です。
- エンベロープ→オブジェクトメニューの「エンベロープ」から「拡張」
- パターン→スウォッチのパターンをダブルクリック、パターン編集モードの状態でフォントをアウトライン化
でそれぞれ解決します。
奥が深すぎる印刷の世界…
実はこれを書いている間も色々と調べていたのですが、グレーのことを調べている時に「ニュートラルグレー」のことを初めて知ったり、調べた先で更に知らない言葉が出てくるという、パンドラの箱のような状態でした。印刷、奥が深いです…
というわけで、知らないことがたくさんのグラフィック案件でした。これが参考になれば幸いです。
参考サイト一覧
- https://www.wave-inc.co.jp/data/dtp/er-color.html
- https://www.graphic.jp/bbs/detail/29364
- https://sanko1.co.jp/cat-blog/5166/
- https://i-insatsu.jp/?code=guide&subp=2
- https://www.wave-inc.co.jp/weblog/?p=1155
- https://oshiete.goo.ne.jp/qa/2144937.html
- https://insatsu-tachibana.com/irokorobi/
- https://www.wave-inc.co.jp/weblog/?p=430
- https://oshiete.goo.ne.jp/qa/3753062.html
- https://www.jfpi.or.jp/webyogo/index.php?term=1751
- https://www.oleshop.net/blog/d20161121o/
- https://www.chottoplus.com/guide/adobe-illustrator/005-2.html
- https://clip-blog.com/outline/#index_id11