2022.05.31

デザイン

サムフレンドリーが世間に浸透しないかなという話

お久しぶりです、ひよこベアです。最近の私の記事は割と(?)おふざけが多かったので、今回はちょっとだけ真面目にシフトしてみようと思います。
え?ふざけたのしかないって?半分・・・半分はたぶんまともです(笑)
タイトルの通り、サムフレンドリーについて熱く語っていきます。私史上最長記事なので、お時間のある時にどうぞ。

サムフレンドリーって何?

俺がサムだぜ

はい(笑)ということで、サム(親指)にフレンドリー(優しい)デザインを「サムフレンドリー」と言います。スマートフォン向けのデザインですね。スマートフォンの画面に対して、親指で操作しやすい範囲に使って欲しい・多く使うコンテンツを置くことで、ユーザーの負担を減らそうというものになります。

親指で操作しやすい範囲を図で表すとこのようになります。


出典:Top Web Design Trends for 2022|TheeDigital

ちなみにこの言葉、Google先生で検索すると、イギリスのロックバンドが出しているデビューアルバムが出てきます(笑)というのも、サムフレンドリーより広義の言葉が既にあり、知名度もあるからでしょう。皆さんもご存じ『モバイルフレンドリー』です。パソコンから始まったWebの世界ですが、スマートフォンで見ることが多くなってきています。

パソコン < スマートフォン の時代・・・?

実際に、SNS大手のLINE株式会社が2021年10月に行った「インターネットの利用環境 定点調査(2021年下期)」では、日常的なインターネットの利用環境はスマートフォンを含む利用が97%、スマートフォンだけの利用が52%という結果でした。
スマートフォンでネットを利用している人の割合が多いのは想像していましたが、スマートフォンだけの使用もここまで増えているというのは予想以上です。この結果から、モバイルフレンドリーがますます重要な項目になることが予想されます。

※ちなみに「LINEが調査してるってことは、ネットで調査したらスマホ利用が多くなるのでは?」と思ってしまいますが、調査員による個別訪問留置調査を行っており、調査員の方が各ご家庭に出向いての調査なのでLINEが調査していることは結果に影響していないと思われます。疑ってごめんなさい\(^o^)/

ところがどっこい、最近ではパソコンがスマートフォンを上回ってきました。オンラインの訪問者統計ツールで有名なStatcounter GlobalStatsで、初めての緊急事態宣言が出た2020年4月から2022年4月までのデスクトップ・モバイル・タブレットの国内利用割合を確認すると、一旦モバイル(緑)がデスクトップ(青)を超えたものの、徐々にデスクトップ(青)が増えていっていることが分かります。


出典:Statcounter GlobalStats

理由として考えられるのは、コロナ禍におけるリモート授業やリモートワークの普及に伴い、今までスマートフォンのみを利用していた層がパソコンを使うようになったことです。

新型コロナウイルスによって「新しい生活様式」が浸透してきた今、Z世代の10人に6人以上(61%)がPCを使用する頻度/時間がともに「増えた」と回答した。

Z世代はパソコン利用に回帰してきている? Z世代学生の8割は、コロナ禍でPC利用が増加 – こどもとIT

  

「大は小を兼ねる」という言葉があるように、今まではスマートフォンを使っていたことをパソコンでするようになり、結果パソコン(デスクトップ)の使用が増えたということでしょう。

スマホの強みは手軽さ、だから

パソコンの使用率が増えはしましたが、スマートフォンの使用がゼロになったというわけではありません。外出先など限られた空間でも基本的に片手で使えるスマートフォンは、手元で完結する手軽さこそ強みにしていく部分ではないかと考えます。では、その強みをさらに強化するにはどうするか。

その鍵となるのがサムフレンドリーではないか、と考えます。

個人的にはそういう見解が増えたらいいなと思いました。その理由は、iPhoneに搭載されている「Safari」のiOS15アップデートが画期的だと感じたからです。

「慣れ」との闘い

※ 2022年5月19日時点での宮崎クリエイターズブログ スクリーンショットです。2022年9月1日より、GMOインターネット株式会社はGMOインターネットグループ株式会社に商号変更いたしました。

2021年9月のアップデートで、検索バーがタブと一体になり、下に移動しました。このことにより、画面上部まで伸ばしていた指を伸ばすことなく検索することが可能になったのです。これこそ「サムフレンドリー」ではないでしょうか。ところがこのアップデート、一部ユーザーには不評とのことで、元のUIに戻して使う方もいたようです。

この『元のUIに戻して使う一部ユーザー』にどう対処するか、それこそサムフレンドリーが抱える最大の課題となります。実際に検索大手のGoogle Chromeでも同じような改修が考えられたそうですが、一部ユーザーからのマイナス意見により採用を見送ったとのことです。(参考記事

人々が慣れ親しんだものであればあるほど、全く新しい形になった時「元の方がよかった」と思ってしまう確率は高くなります。iPhoneのフリック日本語入力システムの開発者であるUI研究者・増井俊之氏のインタビュー記事では、「慣れを超えるいいものを作らない限り、UIは進歩しないのでしょうか?」という問いに対し

少なくとも従来のものより3倍はよくないとダメでしょう。1.5倍くらいだと違いがわからない。

と述べています。全く新しい形で親しんでもらうには、それだけ高い壁があるんですね・・・。とは言え、増井氏の開発したフリック日本語入力システムも、全ての人が使用しているわけではなく、ガラケーの入力方法であるトグル方式を引き続き使っている方も一定数います。
受け入れてもらえるボーダーさえ突破すれば、旧式という選択肢を残しておくことですべての人に優しいUIとして成立させることができるのではないでしょうか。

引用元:ログミーTech 増井俊之氏インタビュー
UIの本質をテーマにしたインタビュー記事です。語られる発想がとても面白く、UI研究者としての視点を知ることが出来たので気になる方は読んでみてください。

サムフレンドリーなサイトを探してみた

では具体的にどんなデザインがいいのか?そういう時は先人の知恵を借りましょう!ということで、実際にサムフレンドリーな工夫のあるWebサイトを探してみました。闇雲に探しても見つからないので、こちらのWebデザインまとめサイトの力を借りました。
スマートフォンサイトのデザインリンク集 sps collectionbookma!

以下で紹介するサイトリンクをパソコンから閲覧される方は、画面を右クリック → 検証 からデベロッパーツールを開き、右上のスマートフォンアイコンをクリックしてください。

りの部屋

https://www.renobeya.renove-realcube.com/

こちらは家屋リノベーションブランドのWebサイトです。すぐに問い合わせができるように、電話番号・カタログ請求・お問い合わせが下部に固定されています。下部に固定された3つの中で、一番使われる頻度が高いであろうお問い合わせのみ上下にリンクを置くことで、下の親指エリアで気づけなかった方の補助になっています。

本編から逸れますが、こちらのメインビジュアル部分がストーリーテリングになっており、アニメーションがとっても可愛いので、そういった意味でもおすすめです(笑)

2023年度定期採用|フェリシモ

https://www.felissimo.co.jp/company/recruit2023/home/

こちらは雑貨で有名なフェリシモの採用サイトです。音楽アプリのようなデザインで上部メニューのリンクが無く、下部に3つのページリンクを設置しています。採用サイトを見るのは若者がメインなので、アプリのようなデザインにすることで、下部固定のリンクも難なく使うことができそうです。

ちなみに、このページURLから/homeを削除してみると、最初に強制で音楽を流すところから始まり、会社メッセージを経て上記のページにたどり着きます。音楽を聴きながらゆったりと回遊させる仕組みなので離脱率も低そうです。

宮崎県のスポーツ教室 かみむらスポーツ教室

https://www.kamispo.jp/

こちらは子供向けスポーツ教室のサイトです。こちらの下部固定コンテンツは、無料体験とオンラインストアという新規・既存それぞれの高頻度と思われるものになっているのが便利ですね(オンラインストアは残念なことに使われていないようでしたが)。メニュー画面を開いた時にも、固定部分が隠れないような工夫がされています。

また、固定コンテンツだけではなく、メニュー画面に入れている項目もTOPページに置いていて、初めて来た方への一覧性が高く、画面下部なので操作も楽そうです。

紅舎宮(くじゃく)|佐賀・嬉野旅館

https://www.r-kujaku.com/

こちらは温泉旅館のサイトです。少しイレギュラーな形ですが、サムフレンドリーとして紹介させていただきます。下部固定のコンテンツがあるわけではないのですが、メニューアイコンの下に「プラン」と「空室検索」が連なっています。普通であれば上に横並びで配置するところを縦に並べることで、アイコンが目に入りやすく、指も届きやすくなっているので思い立った時にすぐ検索ページへ進むことができます。

そろそろUIも進化しよう

いかがでしょうか。
サムフレンドリー、いいですよね。・・・いいですよね(^▽^)?
…ちょっと圧が強くなってしまいましたが、親指伸ばして疲れるよりも、近くでポチポチできる便利さがもっと広まればいいなと思います。

前述のUI研究者・増井俊之氏もインタビューでおっしゃっていましたが、「できるだけ楽したい」が究極のUIではないかと思うので、その一助としてサムフレンドリーがもっと世間に浸透するようないいデザインを作れるようにこれからも頑張ります٩( ‘ω’ )و

この記事を書いた人

ひよこベア

ひよこベア

Webデザイナー

入社ほやほやとは言えなくなってきた2年目デザイナー(アラサー) なるようになる をモットーに日々息しております