新人デザイナー学びなおし記(後編)

お疲れ様です、ナッシーです。


こちらの記事は後編になります。
前編の記事では私のこれまでの簡単な経歴と、Figmaに初めて触った所感をお話しました。
今回は下記になります。

入社一年目に読んだ書籍を再読して得た気づき

なぜ今、読み直したのか

業務を進める中で、修正が入ることは少なくありません。
そのたびにふと頭をよぎったのが、
「自分は“なんとなく”でデザインしている部分はないだろうか?」
という不安でした。

忙しさの中で
「まあ大丈夫だろう」
「今までもこうしてきたし」
と、なあなあで進めてしまっている箇所がないか。
そう考えるようになり一度しっかり基本に立ち返る必要があると感じました。

そこで思い出したのが、自分がデザインを学び始めた当時、何を拠り所にしていたかということです。
振り返ると、最初に手を伸ばしたのは書籍でした。

当時は内容を理解する余裕もなく、「とにかく書いてあることを詰め込む」そんな読み方をしていたように思います。
だからこそ、実務経験をある程度積んだ今なら当時とは違うものが見えるのではないか。
そう考え、しまい込んでいた本を改めて引っ張り出して読み直すことにしました。

過去にお世話になった書籍紹介

手持ちの本を電子書籍に移行して久しい中、本棚の奥に当時よく読んでいた書籍が眠っていました

今回ご紹介するのがこちらの二冊になります。


①なるほどデザイン

言わずと知れた超有名書籍ですね。
クリエーターズブログをご覧の方でしたら、書籍紹介等で一度は見たことがあるのではないでしょうか。
こちらはデザインする上で必要な基礎、概念、ルール、プロセスを図解やイラスト、写真などのビジュアルで解説しています。
デザインを始めたての頃、取っ掛かりとしてとてもおすすめで、「デザインをする」とはどういう考えのもと行われているのか?というのがとても分かりやすく知れる一冊だと思います。


②やってはいけないデザイン

個人的に制作をやる上での入門書として一番オススメの一冊です。
作ってみたけど、なんかダサいな……?とかなんかよくわからないな……?という
もやもやの原因を言語化+正解例とセットで解説してくれます。
デザイナー志望の方はもちろん、ちょっとチラシやプレゼン資料をつくりたいけど上手にまとまらない……
という方にもおすすめの一冊で、図解も多くすいすい読み込む事ができます。

改めて気づいたポイント

①共通して言える「色」への苦手意識

ページの横に貼られた付箋がそのまま残っており、その付箋のほとんどが「色」に関する章に集中していました。
当時から、色づくりに対して強い苦手意識を持っていたこと。
そしてその感覚が、形を変えながら今も続いていることに、
あらためて気づかされました。

今でも正直、色は得意とは言えません。
ただ、
「なぜ悩んでいるのか」
「どこで迷いやすいのか」
を言語化できるようになったことは、大きな変化だと感じています。

②優先順位で伝えたいことを整理する

もう一つ強く感じたのが、
「優先順位付け」に対する認識の甘さでした。

自分ではできているつもりでも、
教本の図解を見ていると「まだまだ浅いな……」と痛感する場面が多くありました。

文字の大きさを変える、色を付ける。
それだけでなく、

  • 配置
  • 余白
  • 情報の取捨選択

こうした全体を通した設計としての優先順位付けが必要なのだと、改めて認識しました。

それぞれの書籍で特に印象に残ったポイント

『なるほどデザイン』では、
特に印象に残ったのが、第二章「デザイナーの七つ道具」です。

ここでは、
どうやって優先順位を付けるのか
そもそも何を基準に比重を決めるのか

といった点が、図解で非常に分かりやすく説明されています。

読みながら、
「自分はここまで細かく考えてデザインしていただろうか?」
と、自問するきっかけになりました。

『やってはいけないデザイン』では、
こちらは特に、
第四章「色編」が強く刺さりました。

他の章については、ある程度意識できている部分もありましたが、
色に関しては、やはりまだまだ課題が多いと痛感。

実際の制作例をもとに、
「なぜこの配色なのか」
「なぜこの効果を使っているのか」

を丁寧に解説してくれており、

自分はこの色を選んだ理由を、
ここまで明確に言語化できているだろうか?
と考えさせられました。

今回、書籍を読み直したことで、自分自身のまだ弱い部分をはっきりと明確にできたのは、とても良かったと感じています。
できているつもりでも、まだまだ甘い部分は多いです。
でもそれに気づけたからこそ、次に何を学ぶべきかがより明確になりました。

具体的な学び直しのポイント

『デザイン』だけではない!

学び直しを進める中で強く感じたのは、変わったのはデザインスキルだけではないということでした。

前職では広告バナー制作が中心で、基本的には「一度作って配信して終わり」。
次はまた新しいバナーを作る、というサイクルでした。

一方、現在の職場で扱うのは Webサイト。
一度作って終わりではなく、
公開後も継続して管理し、改善し、育てていくものです。
そのためには、

  • 商材を深く理解すること
  • なぜこの構成なのかを説明できること
  • 将来的な改修・追加・削除を見越すこと

こうした視点が欠かせません。

「今きれいに見える」だけではなく、
“この先も使い続けられるか”
という視点でデータを作る必要があるのだと、ここで初めて実感しました。

チームとしての制作を意識した取り組み

もう一つ、大きく意識が変わったのが
「このデータは自分だけのものではない」
という考え方です。

Webサイトは継続して管理していく以上、必ず他の誰かが触る前提になります。
そのため、これまでスピード重視の中で後回しになりがちだった

  • データ内のファイル構成
  • レイヤーやコンポーネントの命名
  • 不要なデータの整理

こうした部分を、
「他人が見て分かるか?」
を基準に整える必要がありました。

また、デザインデータは作って終わりではありません。
その先には、必ずコーダーの方による実装工程があります。

  • 細かな位置指定
  • 文字サイズや行間
  • 無駄な小数点の整理
  • 実装時に不要な要素の削除

こうした点を意識せずに作ると、コーディングの手間を増やしてしまいます。

「自分が作れればOK」ではなく、
「次に触る人が作業しやすいか」
を考えながら制作すること。

個人制作から、複数人で一つのものを作る意識へ。
この意識の切り替えも、私にとって大きな学び直しのポイントでした。

入社後半年の自分の振り返り

早すぎる半年間

似て非なる職場へ入社してから半年。
新しい環境の中で、ひたすら目の前の業務に向き合い、気づけば年末を迎えていました。

正直なところ
「もう半年?」
という気持ちが一番近い感覚です。

実際に十分な戦力になれたかといえば、まだまだ未熟な部分も多く、
日々メンバーの方々にご指導いただいたり、助けていただいたりしながら業務を進めています。

それでも、何も分からない状態で入社した頃と比べると、
少しずつですが「自分なりに考えて動ける場面」が増えてきたようにも感じています。

人は必ず変化する

【可能性を信じよう。】
「変化を楽しもう。あなたは必ず変化する。人は気持ちで変化する。」

この言葉は、GMOグループが掲げる
スピリットベンチャー宣言【第十二版】B・Cの一節です。

実はこのフレーズ、以前から個人的に好きな言葉でした。
そして今、GMOインターネット株式会社への入社から半年が経ったこのタイミングで、
その意味を改めて噛み締めている気がします。

職場環境やルール、求められる考え方が大きく変わる中で、
最初は戸惑うことも多くありました。
それでも半年経った今、今の職場での仕事の進め方や考え方に、
少しずつではありますが適応してきている実感があります。

さまざまな業務を経験させていただく中で、
自分自身の変化の過程を自信につなげられている。
そんな感覚を持てるようになってきました。

来年の抱負

改めて振り返ると、FigmaやIllustratorなど、
現在メインで触っているツールについては
まだまだ経験値が足りていないと感じています。

だからこそ来年は、

  • ツールを「使える」から「使いこなせる」状態へ
  • なぜそう作るのかを説明できるデザイナーへ
  • チームの中で、より安心して任せてもらえる存在へ

上記を指針に、少しずつでも確実に成長していきたいと考えています。

焦らず、立ち止まらず、
これまで積み重ねてきた学びを土台に
来年も一歩ずつ前に進んでいきたいと思います。

2026年もよろしくお願いします!

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ナッシー

ナッシー

別会社からやってきたWebデザイナー。GMOインターネットではまだまだ新人なので頑張ります。

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