AIを使った現像ワークフローを見直してみた

こんにちは、ふじもんです。

以前このブログで、ChatGPTLightroomのフィルム風プリセットを作ってもらう企画を前編・後編・リターンズと、気づけば3本もやっていました。

【前編】ChatGPTを使ってどうにかLightroom フィルム風プリセットを生成...

こんにちは、ふじもんです。今日はタイトルの通り、ChatGPTを使って、Adobe Lightroomで使用できるフィルム風プリセットの生成に葛藤したので、そ...


【後編】ChatGPTを使ってどうにかLightroom フィルム風プリセットを生成...

こんにちは、ふじもんです。今日は前回ChatGPTを使って、Adobe Lightroomで使用できるフィルム風プリセットの生成に葛藤した内容について書かせて...


【帰ってきた】ChatGPTを使ってどうにかLightroom用プリセットを生成さ...

どもども、ふじもんです。最近写真撮ったり撮らなかったり、自由気ままに過ごしています。今日は【帰ってきた】ChatGPTを使ってどうにかLightroom...


あの頃は「AIに現像を頼む」というだけで、それ自体が一つの実験ネタになるくらい目新しい遊びだったんですよね。
ChatGPTに向かって「フィルムシミュレーションのパラメーターを教えて」と聞くだけで、ちょっとしたお祭り感がありました。

あれから時間が経って、使えるAIも増え、画像そのものを見て判断してくれる精度もかなり上がってきました。
ちょうどいい機会なので、今の自分がどんな感じでAIを現像・レタッチワークフローに組み込んでいるか、
当時との違いも含めて一度じっくり整理してみようと思います。

過去シリーズをちょっと振り返る

最初にやった企画は、フィルムカメラ時代に愛用していた【FUJIFILM NATURA 1600】というカラーネガフィルムの色味を、デジタルでも再現したいというのがきっかけでした。生産終了してしまって手に入りづらくなったフィルムの質感を、ChatGPTの力を借りてLightroomのプリセットとして再現できないか、という発想です。

やり方はシンプルで、「Lightroomのパラメーターを教えて」「〇〇フィルム風にするにはどの数値にすればいいか」というふうに、言葉でひたすら質問を投げていました。返ってくる数値をそのままLightroomに打ち込んで、写真に適用して、見比べて、また聞き直す。この繰り返しです。

当時感じていた限界は、大きく2つありました。

1. ChatGPTは実際の写真を見ているわけではなく、あくまで「フィルムの一般的な特徴」から数値を推測しているだけなので、狙った質感と微妙にズレることが多い
2. 同じ質問をしても、聞くたびに返ってくる数値が変わることがあり、再現性が低い

それでも「AIとレタッチについて会話する」という体験自体が新鮮で、粗くても十分楽しめる企画でした。

何が変わったのか

今の一番大きな違いは、AIが画像そのものを見て判断できるようになったことだと思います。以前は言葉だけのキャッチボールでしたが、今は写真を渡して「この写真の色味の特徴を言葉にして」「このトーンに近づけるにはどのスライダーをどう動かせばいいか」という、画像を起点にした会話ができます。

これによって、やりとりの質が段階的に変わりました。

以前

  • フィルム名を伝える
  • (AIの知識ベースから)パラメーターが返ってくる
  • 当てはめてみる
  • イメージと違うのでまた聞き直す

現在

  • 写真を見せる
  • (写真そのものを分析して)特徴が言語化される
  • その説明をもとに他の写真にも応用する
  • ズレがあれば「ここはもう少し」と会話で微調整する

「知識から逆算する」から「目の前の写真から出発する」に変わった、という感覚です。地味な違いに見えるかもしれませんが、レタッチという作業においてはこの差がかなり大きいなと感じています。

実際にやっているワークフロー

今のワークフローについてもう少し具体的に。

ステップ1:お気に入りの写真をAIに見せる

まず、自分がすでに現像し終わっていて「これは好きな仕上がりだ」と思える写真を数枚、AIに見せます。単純に「かっこいいでしょ」で終わらせず、「この写真たちに共通しているトーンや粒子感、コントラストの傾向を言葉にしてほしい」と頼みます。

ここで返ってくる説明は、自分では意識していなかった好みに気づかせてくれることがあります。「ハイライトを少し抑えつつ、シャドウにわずかに青みを残す傾向がある」といった具合に、なんとなく好きだと思っていた質感を、初めて言語化してもらえる感じです。

ステップ2:素材の写真を見せて相談する

次に、これから現像したいRAW書き出しの写真を見せます。そして「この写真を、さっき言語化してもらった雰囲気に近づけたい」と伝えます。

このとき意識しているのは、変えたい部分と変えたくない部分をセットで伝えることです。例えば、

「明るさの印象は保ちたいけど、影の締まり方だけもう少し欲しい」
「彩度は上げたくないけど、肌の色だけ自然に見せたい」

といったふうに、条件を絞って伝えるようにしています。ざっくり「いい感じにして」と頼むよりも、変えたい軸をこちらから示した方が、返ってくる提案の的確さが変わってくる実感があります。

ステップ3:出てきた提案をたたき台として試す

AIから返ってきたパラメーターの方向性は、あくまでたたき台として扱います。一発で完成品が出てくることを期待するのではなく、「ここまではいい、ここはもう少し戻したい」というふうに、会話を重ねながら詰めていく感覚です。

以前のシリーズをやっていたときは、正直「一撃でパーフェクトなプリセットが出てくれたら最高」と思っていましたが、今は考え方が変わりました。AIに完成品を作ってもらうのではなく、自分の好みを言語化するための相談相手として使う方が、結果的に納得感のある仕上がりに落ち着く気がしています。

ステップ4:最終判断は自分の目で

どれだけ精度が上がっても、最後に「これで完成」と決めるのは自分です。AIが出してくれた説明や数値をLightroomに反映したあと、実際にプレビューを見ながら微調整するところは今も変わらず自分の作業です。むしろAIとのやりとりで方向性が整理された分、この最終調整に集中できる時間が増えた感覚があります。

プロンプトの投げ方で意識していること

以前と比べて、プロンプトの投げ方も変わりました。ポイントをまとめると、

一度で完璧を目指さない

最初の提案に対して「もう少しここを」「逆にこっちは動かさないで」と会話を重ねる前提で話す

抽象語だけで終わらせない

「フィルムっぽく」だけでなく、「粒子感を残しつつ全体のコントラストは平坦気味にしたい」のように、できるだけ具体的な言葉に分解して伝える

比較対象を渡す

気に入っている写真と、これから直したい写真を両方見せて、「この差を埋めたい」という形で相談する

この辺りは、写真の現像だけでなく、文章を書くときのAIとの付き合い方ともかなり近いなと感じています。結局、AIに丸投げするよりも、自分の感覚を言葉にする補助として使う方が相性がいいのかもしれません。

それでも変わらないこと

便利になった一方で、変わらないなと思うのは、最終的に「らしさ」を判断するのは自分だということです。
AIが出してくれる説明や数値はあくまでたたき台で、それを見て「いや、もう少し自分の好みはこっちだな」と思えるかどうかは、結局自分がどれだけ写真を見てきたかにかかっている気がします。

昔ハマっていたFUJIFILM NATURA 1600のような、もう手に入らないフィルムの質感を追いかけていた頃の感覚は、今でも判断基準として残っています。AIが便利になったからこそ、逆に「自分は何が好きなのか」をちゃんと持っておくことの大事さに気づかされました。

道具に頼りすぎると、自分の好みまでAI任せになってしまいそうな怖さもあります。だからこそ、普段からいろんな写真を見て「これは好き、これはちょっと違う」という感覚を鍛えておくことが、AIをうまく使うための地味だけど大事な準備なんだろうなと思っています。

今後試してみたいこと

ここまで整理してみて、次にやってみたいと思っていることもいくつかあります。

  • 現像の相談だけでなく、撮影前の構図やシーン選びの段階からAIに相談してみる
  • 複数の写真を並べて「このシリーズ全体としての一貫性」をAIと一緒にチェックする
  • フィルム風のアプリで加工したものとLightroomでの現像を比較して、それぞれの得意な質感の違いを言語化してもらう

このあたりは、また試してみたらまとめて書こうと思います。

今のお気に入り相棒たち

最後に、この記事で紹介したワークフローで実際に使っている相棒たちを、簡単に紹介しておきます。「結局何を使えばいいの」というところで終わると気持ち悪いので、オチとして置いておきます。

母艦:Lightroom

現像の最終的な仕上げは、やっぱりLightroomに落ち着いています。AIとの相談で言語化した方向性を、実際にスライダーとして反映する場所はここです。プリセットという「完成品」を保存する場所というより、今は「試行錯誤の作業台」として使っている感覚が強いです。

相談相手:ChatGPT / Claude

画像を見せて特徴を言葉にしてもらったり、パラメーターの方向性を相談したりする役割です。どちらか一方に絞る必要はなくて、気分や写真によって使い分けています。大事なのは道具そのものより、「変えたい部分と変えたくない部分をセットで伝える」という相談の仕方だと、この記事を通して改めて感じました。

気軽に試す用:DAZZ

以前このブログでも紹介したフィルム風カメラアプリのDAZZは、今でもスマホで撮った写真をパッと雰囲気良く仕上げたいときに開いています。Lightroomでじっくり詰めるほどでもない、日常のスナップにはこちらが早くて気楽です。「がっつり現像するもの」と「気軽に済ませるもの」で道具を分けておくと、無駄に悩む時間が減る気がします。

撮る側の相棒:GR3xCanon IXY 1

そもそも「現像でどうにかしたい」と思う写真を減らすには、撮る段階で好きな質感に近づけておくのが一番だったりします。GR3xを選んでいるのも、この記事で書いたような自分好みの色や粒子感の方向性と相性がいいからというのが大きな理由です。道具の力を借りるのは現像だけじゃなく、撮る瞬間からすでに始まっているんだなと、書きながら思いました。

こうして並べてみると、AIはあくまで「相談相手」で、実際に手を動かす場所はLightroomやアプリ、そして撮る瞬間のカメラだったりします。AIに頼る部分と、自分や普段使っている道具に任せる部分を分けて考えると、変に振り回されずに使えるなと感じています。

気になっている追加候補

ここまでは今実際に使っている道具でしたが、この記事を書くにあたって調べていて気になったものも、せっかくなので紹介しておきます。

プリセット販売サイト:CURBON 国内のフォトグラファーが手がけたLightroomプリセットを扱う販売サイトです。ジャンルやフォトグラファーごとにプリセットが探しやすく、日本語のサポートや解説ページも充実しているようなので、自分でパラメーターをゼロから考える前に「プロがどう色を作っているか」を覗いてみる感覚で使ってみたいと思っています。AIとの相談で言語化した方向性と、実際にプロが作ったプリセットの数値を見比べてみるのも面白そうです。

フィルム風アプリ:NOMO CAM / FIMO DAZZ以外にも、カメラの外観やファインダーの雰囲気まで再現しているアプリとしてNOMO CAMやFIMOが挙げられます。フィルターの質感だけでなく、撮影体験そのものを楽しむタイプのアプリなので、気分を変えたいときに使い分けてみるのもよさそうです。まだ触っていないので、試したら別記事でレポートしたいと思います。

まとめ

  • AIとの現像相談は「言葉だけ」から「画像を見せての会話」に進化した
  • プリセットを一発で出してもらうより、好みを言語化する相談相手として使う方が納得感がある
  • 変えたい部分と変えたくない部分をセットで伝えると、提案の精度が上がる
  • 便利になっても、最終判断は自分の目と好み次第

道具は変わっても、写真を撮って残したい気持ちは変わらないなと、書いていて改めて思いました。
また次回の記事でお会いしましょう!

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この記事を書いた人

ふじもん

ふじもん

ロックを愛しているのに革ジャンが似合いません。

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