みなさんこんにちは、ひよこベアです。
「AIにバナー作ってもらった」「AIで広告デザインしてみた」という記事や投稿、最近よく見かけませんか? 見るたびに「実際どうなんだ」と気になっていたので、自分でも試してみることにしました。
ただ眺めるだけじゃなくて、同じお題でAIと自分、両方作ってみる。さらに出来上がったものをAIに評価してもらって、AIがどういう視点でデザインを見るのかも調査してみた、という実験記録です。
まずはお題を考えてもらう
お題はChatGPTに考えてもらいました。「バナー制作の練習をするのに、インターネットプロバイダーの広告バナーお題を出して」と投げて、バナーに収まりきらない要素をいくつか減らして調整しています。
制作サイズはPCバナー(300×250px)とスマホ小サイズ(320×100px)の2種類。想定ターゲットは一人暮らしを始める20〜30代で、動画視聴やゲーム利用が多い人、回線速度に不満がある人を想定しています。練習のためにと書いたので、最後に意識すると良いポイントが出てきたのが面白かったです。
テーマ:高速インターネット回線 × 新生活応援キャンペーン
制作サイズ
PCバナー:300×250px
スマホ小サイズ:320×100px
想定ターゲット
一人暮らしを始める20〜30代 動画視聴・ゲーム利用が多い人 回線速度に不満がある人
バナーの目的
「乗り換え」または「新規申し込み」を促す
掲載したい内容(優先度順)
【最優先】
キャッチコピー「速さで選ぶなら、次はこの回線。」
特典訴求「最大40,000円キャッシュバック」
CTA(ボタン)「今すぐ申し込む」
【優先度:高】
回線の強み「工事費実質無料」
ブランド名「Hikari Connect」
【優先度:中】
利用シーン画像
例 動画視聴・ゲーム・リモートワーク・スマホ利用
【優先度:低】
小さな信頼要素「利用者満足度No.1」
意識すると良いポイント
300×250は「情報量の整理」、320×100は「瞬間視認性」
PC版→スマホ版へ落とし込む際に「何を削るか」を考える
バナーを作る
お題をもとに、私とChatGPTでそれぞれバナーを制作しました。
私が作ったのはB案、ライト・ナチュラル系のデザインです。明るいトーンで「新生活の人向け」というイメージを意識しました。

作るときに一番迷ったのが、キャッチコピーの「次は」をどうするか。お題には「速さで選ぶなら、次はこの回線。」とあったのですが、想定ターゲットが一人暮らしを始める20〜30代ということは、乗り換えというより初めて自分で契約する人のイメージが強い。「次は」って乗り換えのニュアンスが入るよなと思い、省くことにしました。
一方ChatGPTが作ったA案はダーク・ゲーミング系。速度感と乗り換え訴求を前面に出したデザインです。同じお題でもアプローチが全然違うのが面白いところ。
ですがChatGPTがなかなか正しいサイズで作ってくれず、300×250は一部黒塗り対応、320×100は半分の高さの比率に近い形で生成してくれたので、先に作っていた自分の320×100をリサイズしています。
AIに見てもらった
できあがった2案を、3つのAI(Gemini・ChatGPT・Claude)に評価してもらいました。依頼の仕方はシンプルに「2サイズ2種類について、良いところ・気になるところを一言ずつコメントください」。
返ってきた内容を読んで、まず気づいたのがそれぞれの視点が微妙に違うこと。
Geminiは文字の視認性や全体の印象について触れることが多く、ChatGPTは視線誘導やレイアウトのバランスに関するコメントが目立ちました。どちらも丁寧なのですが、「一言ずつ」という依頼に対して結構なボリュームで返ってきたので、読むのにちょっと体力が要る量。
一番「一言ずつ」に忠実に答えてくれたのはClaudeで、コンパクトにまとめながらも文字・レイアウト両方の視点が入っていました。依頼の意図を一番くんでくれた印象です。
内容面では、3つに共通していたのが「B案はスピード感が弱い」という指摘。確かに、ナチュラル系のデザインを選んだ時点で速さの演出は後回しになっていたので、言われてみると納得感はあります。「速さで選ぶなら」というキャッチコピーに対して、デザインが追いついていなかったかもしれません。
一方のA案にも、3つのAI共通で指摘が入っていました。それが「情報量の多さ」です。速度感やゲーミング感を出そうとした結果、要素が詰め込まれすぎて視線が散りやすく、広告感・圧迫感が出てしまっているという意見が重なりました。特にスマホサイズでは細かいアイコン類が潰れやすく、せっかくの情報が機能しなくなるリスクも指摘されていました。
感想
やってみて一番面白かったのは、AIと自分で同じお題なのに全然違うアプローチになったこと。A案は速度感とゲーミング感を全面に出したデザイン、私のB案は新生活層への親しみやすさを重視したデザイン。同じ条件を渡しても、どこに重きを置くかでこんなに変わるんだなと実感しました。
評価の視点についても収穫がありました。3つのAIそれぞれ視点が違うので、複数に聞くと見えてくるものがあります。一人でデザインを抱えているときに、壁打ち相手として使うのはアリだなと思いました。
一方で気になったのは、どのAIもデザインの4原則のうち近接・整列の観点からのコメントがほとんどなかったこと。「なんとなくごちゃついている」という表現はあっても、原則ベースで踏み込んでくれることはありませんでした。AIの意見をそのまま鵜呑みにするのではなく、基礎的な観点は自分でしっかり持った上で参考にする、というスタンスが大事だと改めて感じました。
AIが作れる時代だからこそ、デザイナーとして何を判断軸に持つかを意識しながら地道に頑張っていこうと思います。ではまた次の記事で。